愛と死

2016年8月18日 読書
「愛と死」 武者小路実篤
友人野々村の妹夏子は、逆立ちと宙がえりが得意な、活発で、美しい容貌の持主。小説家の村岡は、野々村の誕生会の余興の席で窮地を救ってもらって以来、彼女に強く惹かれ、二人は彼の洋行後に結婚を誓う仲となった。ところが、村岡が無事洋行を終えて帰国する船中に届いたのは、あろうことか、夏子急死の報せであった……。至純で崇高な愛の感情を謳う、不朽の恋愛小説である。
(Amazonさんより)

太宰治みたいに武者小路実篤ももちろんペンネームなのだと思っていました。汗
とでも良いお家柄の人だったのですね。
漢字の三文字名字だけでも憧れるのに、漢字四文字名字ですからね。最上級の名字な訳ですよ。憧れるなぁ〜。

名字の話はさておき、武者小路実篤の作品は、よくよく考えるとストーカーかっ!ってタイプの話が多いと聞いた事がありますが(ファンの方、重ねてごめんなさい。)こちらは純粋な男女の恋愛ものでした。
タイトル通り、ヒロインは死んでしまうんです。しかも、えらくあっさり。
主人公・村岡の危機を宙返りによって救うヒロインの夏子。
時々お転婆だけれど普段は上品な美人で、明るくて愛想が良くユーモアもあり、主人公の事を大好きになってくれて、とても尽くしてくれるって...。それって、それって、もしかしてだけど、男性の理想そのまま⁈と思わずにはいられない眩しすぎるヒロイン。
2人の距離を縮めていくやり取りに、思わずこちらが赤面です。特に丁寧な言葉を遣いながらユーモアを交えた2人の手紙のやりとりは素敵です。
完璧なカタチで相手の心に残るのは、やっぱり死しかないのでしょうか。
内容も結婚を控えたヒロインを待たせて、自分は旅に出るという、全てが男のロマンのような一冊でした。

ちなみに、武者小路実篤はヒロイン夏子が死ぬシーンを泣きながら書き上げたそうです。

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