「セシルのもくろみ」唯川恵

いい三十路の同窓会で集まった事がきっかけで、読者モデルに応募する事になる主人公の奈央。
女性同士のマウンティングが凄まじくて、ある意味リアルホラーでした。
いい三十路で集まった時に分類される3つのコース。
独身・共働き・専業主婦
「独身」こんな歳まで1人なんて問題あるのかしら?可哀想に。

「共働き」可哀想に旦那さんの稼ぎが悪いのかしら?小さい子を保育園に預けて母性がないのかしら?

「専業主婦」社会と繋がりがなくなって可哀想。才能ないのかしら?

と、結局、どのコースにいってもマウンティングしてくる人はしてくるという...。
独身女性が結婚して専業主婦や共働きになる事もあるし、既婚者が離婚して独身に戻る事もあるのに、結局潰しあってしまうという...。
誰でもどのコースに行く可能性があるんですけどね。

主人公の奈央は、専業主婦から共働きになるんですが、職場でもまた結局マウンティングされるという始末。
どこへ行っても終わりなきカースト制度。
女性の嫌な部分がたくさん見えますが、経験を積んで主人公が凛として強くなる姿は素敵でした。
さらりと読める作品でした。
ありそうでありそうなお話で面白かったのですが、今回は唯川恵さんのハッキリと綺麗な落語のような強いオチがなく、オチ弱めでちょっと寂しかったです。

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