燃えつきるまで

2015年10月14日 読書
31歳。
5年付き合っていた彼氏に突然フラれました。ファッー‼︎
仕事もキャリアを重ね、彼との交際は順調そのもので結婚するつもりでいましたが、どうやら彼は前から違和感があって別れるつもりだったみたいです。ファッー‼︎
しかも、その彼は別れてすぐに別れてすぐに別の女性と付き合いだしました。ファッー‼︎
しかも、自分に似たタイプのキャリア組で離婚歴のある女性です。ファッー‼︎
そして2人はどうやら結婚するらしいです。ファッー‼︎

と、いちいち、ファッー‼︎ファッー‼︎叫びたくなるような、傷口に塩を塗るどころか、ばい菌まで傷口に塗りこんでくるような痛い痛いお話です。

「燃えつきるまで」唯川恵

唯川恵さんの小説を読むのは初めてでした。
この本が失恋というわかりやすくシンプルな中心軸で回るお話だった事もあり、大変読みやすく、いっきに読めてしまいました。
分かり易い内容とは裏腹に女性のドロドロとした心理描写は匠の領域です。笑
単純に怖い=ホラーであるならば、これはホラー小説だと思います。笑
自分を受け入れてくれなくなった人間に執着してしまう恐怖。
山本文緒さんや綿矢りささんの小説を読むと、凄いなぁ。なにもここまで書かなくていいのになぁと思う、あの引くような感情が読みながら芽生えました。
あぁ、お願いします。もう彼女をこれ以上虐めるのやめて、志村うしろ〜!うしろ〜!みたいな本と一体するエンターテインメント感覚も楽しめました。
やはりフィクションですから、後半は上手くまとまっているなぁと思いました。落語のようなオチにも拍手。
自分にとってはなんてことない人間が、誰かにとっての特別な人であったり、逆もまた然り、慣れた相手にあぐらをかいていたら危険だよという戒めにもなりますし、失恋した人には、ちょっとした回復のヒントにもなるような本かもしれません。
唯川恵さんの他の小説も読んでみたいです。

コメント

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索