蛇行する月

2014年10月3日 読書
シアワセは自分のココロが決める?!
「蛇行する月」 桜木 紫乃
わぁーーーー!お願いですからもう許して下さい!って途中で叫びたくなるような女性の泣きどころに侵入してくる短編集です。
短編集なのですが、関わりのある女性たちが主人公の連携短編集です。
私は直木賞を受賞した「ホテルローヤル」よりも、こちらの方が読み応えがありました。

境遇や結婚相手を知って、それって・・・それって、どう考えても不幸じゃないの?って周りが思うような女性が案外、シワだらけの幸せな顔で笑っていたり。
美貌もお金もあるような周囲から羨ましがられるような女性が、実は思いつめていたり。
いないよりはマシなつまらない男性と心開かぬまま付き合って、つまらないデートをして、つまらないSEXをして、最後は、お互い様と気づくリアル。
描写がとても生々しくて、頭の中で絵がかなり想像できましたし、時に女性たちに感情移入できたり、時に、そんなんじゃダメだよー。やめといた方がいいよ。と忠告したくなったり。笑
揺れる女心と強い女性の決心が楽しめて、幸せについて考える時間を貰えた一冊でありました。

ただただ悲しい物語ではなく、どれも凛としたラストでした。
ひょっとして前半が哀しすぎて、感覚が麻痺してしまい、ただの不幸中の幸いだったのかもしれません。笑
大人の女性にオススメしたい一冊です。

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